ハイテクなガラスに交換しても完璧とは言えない

ハイテクなガラスに交換しても完璧とは言えない

住宅が省エネルギー対策を施していることは、もはや常識となりました。昔の映画に出てくるような、隙間風が吹き込むあばら屋とかトタン屋根住宅なんてものは、少なくともここ数年で建てられた住宅ではありえないといって良いでしょう。
住宅の密閉性能が向上し住宅建材が高性能化していくとともに、省エネルギー高断熱住宅が一般化していったと言っても良いでしょう。そして現在、日本の住宅のそうした性能を高めるために最も費用対効果が高いとされているもののひとつが、まずなんといっても窓ガラスなのです。
窓ガラスは住宅において壁の一部といえますが、同時に通風、採光という役割を担う場所でもあります。どれだけ密閉性を高めた住宅であっても、窓ガラスをあければ外気との循環が起こります。どれほど高断熱住宅であったとしても、窓ガラスから入ってくる日光とその熱を避けることはできません。壁や断熱材といったものの性能は向上していても、窓ガラスが高機能にならなければ完璧とは言えないのです。

しかしそのハイテクな窓ガラスであっても、さまざまな種類があります。つまり機能性がその住宅に合致している、導入目的に合っている窓ガラスでなければ、思ったような効果は得られないというのが本当のところでしょう。
高機能窓ガラスに求められる性能で最もニーズが高いと思われるのは、断熱効果と遮音性能、そして防犯性能ではないでしょうか。もちろん見た目の美しさやコストパフォーマンスも重要ですが、まずは機能性が重視されるというのが窓ガラスの常ではあります。
ペアガラスは一般的に断熱性能に優れていますが遮音性能には期待できないと言われますし、特殊な加工のないものは防犯性能もありません。強化ガラスやフィルムガラスも、破砕時に怪我をしにくいことが、かえって防犯性能を下げているという意見もあります。遮音についていえば二重サッシが最も効果的ですが、外観の変化は避けられません。